「腹部大動脈瘤」とはどんな病気?

「腹部大動脈瘤」とは、腹部の大動脈に発生する瘤(こぶ)です。
この瘤は突然破裂する危険性があり、破裂した場合は死にいたる恐ろしい病気です。
最も多く発生するのは腎動脈(大動脈から腎臓につながる血管)が枝分かれする部位の下流にあたる腎動脈下腹部大動脈です。

症状・リスク

腹部大動脈瘤は、年間数ミリ程度のスピードでゆっくりと拡大、瘤が大きくなればなるほど破裂する危険性が高まります。
大動脈瘤が大きくなると、やせている患者さんでは腹部にドクドクと拍動するしこりを感じる場合があります。
大動脈瘤が破裂した場合、急激な腹部や腰部の痛みとともに、急速に血圧が下がり死にいたります。
一般的には5cm以上の大きさになると破裂する危険性が高くなると考えられていますが、動脈瘤の形や性状、拡大のスピードによっては、より小さいものでも破裂する危険性があると考えられています。

治療方法

腹部大動脈瘤の治療方法は、下記3つが挙げられます。

  1. 保存的治療
    動脈瘤の破裂を予防する効果を期待して、血圧を下げるお薬や脈拍を抑えるお薬が投与されますが、その予防効果は限定的です。
  2. 人工血管置換術
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  3. ステントグラフト内挿術
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