「大動脈瘤」とはどんな病気?

大動脈瘤(りゅう)とは、大動脈に高い圧力(血圧)がかかった結果、動脈硬化などで弱くなった血管の壁が、瘤(こぶ)のように大きく膨らんでくる病気です。

大動脈の位置

大動脈は全身に血液を送る最も太い血管で、心臓から上向きに出た後、弓状に左後方へ大きく曲がり、背骨の前面に沿って腹部方向に下っています。

部位による分類

大きくは「胸部大動脈瘤」「胸腹部大動脈瘤」「腹部大動脈瘤」の三つに分かれます。
胸部大動脈瘤はさらに「上行大動脈瘤」「弓部大動脈瘤」「下行大動脈瘤」と細分化されます

形状による分類

ドーム状に膨らんだ「嚢(のう)状大動脈瘤」と糸を紡いだ時の形に似た「紡錘(ぼうすい)状大動脈瘤」の2種類に分類されます。
同じ大きさの大動脈瘤であっても嚢状瘤の方が破裂する危険性が高いと言われています。

原因による分類

真性動脈瘤

動脈の壁がそのまま膨らんで瘤になった場合は「真性動脈瘤」と呼ばれます。

仮性動脈瘤

外膜と呼ばれる動脈の一番外側の膜だけが膨らんでできた瘤は「仮性動脈瘤」と呼ばれます。

解離性大動脈瘤

大動脈解離の後に続いて発生した瘤は「解離性大動脈瘤」と呼ばれます。

感染性大動脈瘤

感染が原因で瘤化した場合は「感染性大動脈瘤」と呼ばれます。

外傷性動脈瘤

交通事故など外傷を契機に瘤が発生した場合は「外傷性動脈瘤」と呼ばれます。