「胸腹部大動脈瘤」とはどんな病気?

胸腹部大動脈瘤とは、胸部・腹部の境界にあたる横隔膜付近に発生する大動脈の瘤(こぶ)です。
この瘤は破裂する危険性があり、破裂した場合は死にいたる病気です。

症状・リスク

胸腹部大動脈瘤は、年間数ミリ程度のスピードでゆっくりと拡大し、瘤が大きくなればなるほど破裂する危険性が高まります。
破裂するまでは大部分の患者さんに自覚症状はありません。
瘤が大きくなり、まれに大動脈周囲の臓器(食道)を圧迫すると食べ物が飲み込みにくいなどの症状があらわれることがあります。
大動脈瘤が破裂した場合、急激な胸や背中の痛みとともに呼吸困難・喀血(かっけつ)・吐血(とけつ)などが出現し、急速に血圧が下がり死にいたります。
一般的には5cm以上の大きさになると破裂する危険性が高くなると考えられていますが、動脈瘤の形や性状、拡大のスピードによってはより小さいものでも破裂する危険性があると考えられています。

治療方法

胸腹部大動脈瘤の治療方法は、下記4つが挙げられます。

  1. 保存的治療
    動脈瘤の破裂を予防する効果を期待して、血圧を下げるお薬や脈拍を抑えるお薬が投与されますが、その予防効果は限定的です。
  2. 人工血管置換術
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  3. ステントグラフト内挿術
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  4. 【最新治療】開窓型/分枝型ステントグラフト内挿術
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